2013-11-04 古本まつりときらら 〔京都府〕
11 17, 2013 | 叡山電鉄
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ひっさびさの地元京都ネタ。
2013年11月4日(月)、連休だというのに旅にも出ず、京都市左京区の百万遍(ひゃくまんべん)にある知恩寺(ちおんじ)で毎年行われている「古本まつり」にブラっと出かけた時の様子です。

境内に、10数軒の古書店ブースが並びます。傾向としては、やっぱ京都らしく仏教書とか美術書が充実してる感じです。僕は特に目当てがあるワケでもなく、何かオモロい本があったらエエなぁ、ぐらいに各ブースを冷やかして回ってただけなんですが、 まさかの!ハートを鷲掴みにするお宝本に出会ってしまいました。

それがこちら、『日本の山河 天と地の旅』(国書刊行会/刊)という、70年代後半~80年初頭の県別の空撮写真集。絶版。

函と背はヤケてボロい感じですが中身は新品同様。47都道府県、東京と北海道が上下巻に分けてあるため全49冊、がセットで1万円。当時の定価は2,500円/冊なので十分安いけどちょっと待て、焦るな、とスマホでAmazonやネットオークションの相場を探ってみてもこれ以上の買い得品は見当たらず、意を決して購入!一応、値切ってみたら9,000円にしてくれました(笑)。後日、ネットであと1,000円安い古書店を見つけてしまいましたが(泣)。

ともあれ、僕がデンシャ旅で常に追い求めてる昭和50年代の日本の風景が、空撮という現在ではあまり試みられない手法でたっぷりと楽しめるんです!
これは「22巻 京都」の、五条付近の写真ですが、京阪電車はまだ鴨川沿いの地上を走ってるし、瓦屋根の民家もまだまだたくさんあったことがよく分かります。

いまはなき、伏見桃山城キャッスルランド(遊園地)の全盛期の姿も。天守閣部分は現在も残ってますが、耐震性等の問題で立ち入り禁止。
さすがに近畿地方以外となると、元がどうだったか知らないので細かな違いを探す楽しみは半減しますけど、大きな鉄道駅には必ずと言っていいほど扇形車庫がまだあったり、駅舎や駅前の建物に時代を感じつつも風景としての印象は案外変わらないモンだなぁ、とかデンシャ旅で全国を周ったおかげで思った以上に楽しめました。
まだまだイケイケの時代だったんでしょうか、工業地帯や原発、高速道のインターチェンジとかが存外にクローズアップされてるのも何か笑えます。

普段はよっぽど読みたい内容でもない限り買わない鉄道雑誌類ですが、100円均一コーナーで見つけて手にしてみました。1982年の「鉄道ジャーナル」6月号。

「鉄道旅行の魅力をさぐる」という特集タイトルに魅かれたんですけど、巻頭には2009年に逝去された鉄道写真の大家・真島満秀(ましま みつひで)さんのこんな素晴らしい写真、そして鉄道紀行文学の巨匠、故・宮脇俊三さんの「汽車旅讃歌」という3ページに渡る寄稿文まで載ってるし、ホントに贅沢な時代だったんだなぁ、と思いました。こんなだったら毎月買うよ(笑)。
『交通機関は目的地へ行くための手段である。そのかぎりでは「文明」にすぎない。しかし、車窓を楽しみ、街道をたどった昔の人に思いをはせれば「文化」の趣を呈してくる。鉄道旅行には、その余地が残されている。』
(宮脇俊三『汽車旅讃歌』より一部抜粋)

知恩寺から西へちょっと歩けば出町柳(でまちやなぎ)、ということで久々に叡電(叡山電車)にお邪魔してみます。

叡電のカオ、展望列車「きらら」。特別料金は不要ですが2編成しかないのが玉に瑕。

何となく修学院(しゅうがくいん)駅で降りて、付近の踏切で「きらら」を撮ったりしてみただけなんですが。この時期は鞍馬(くらま)、貴船(きぶね)付近の紅葉の中を走る姿が定番ですけど、僕自身は宝ヶ池までの市街地区間の風情が好きです。

このエントリーを綴ってる11月16日現在も京都市内の紅葉はまだまだ、といった感じなので、「きらら」の車体エンブレムでどうぞ。
撮影日:2013年11月4日
カメラ:Nikon D3s + Nikon Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
(書籍の写真は Nikon Coolpix P300)

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