2014-05-10 #04 南海高野線 下古沢駅と上古沢駅 〔和歌山県〕
07 31, 2014 | 南海電鉄
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2014年5月10日(土)、南海高野線の駅めぐり第4回。
高野下駅から先は、かつての高野山電気鉄道が開通させた、最大50‰(パーミル)の急勾配区間。2つの「古沢」駅が続きます。まずは下古沢(しもこさわ)。

1928年(昭和3年)6月18日、前述の高野山電気鉄道の高野下~神谷(現・紀伊神谷)開通時に開業。
余談ですが、ここだけ駅名標がこれ1枚しかなく、隣駅の上下関係の「向き」を合わせられないことに今頃気付きました…。

駅舎は開業当時のもののようですが、車寄せの方杖(ほうづえ=庇を支える補強材)がちょっと気を利かせてる以外、外観は目立った特徴のない実用本位の印象。

学文路(かむろ)駅同様、駅前に引きのスペースがなく全景を収めにくい。

というのも、もうほとんど崖の上に駅がある、といった立地だから。手持ちの飲料が尽きて眼下の集落へ買いに行ったんですが、戻るときのキツイことといったら!
しかも自販機さえ見当たらず、出会った方に「高野下駅付近のガソリンスタンドにしかない」と聞いてガックシ(泣)。

駅前へ勢いよく飛び出すと身投げになってしまう駅です(苦笑)。通勤・通学で毎日利用されてる方がいるとしたら、頭が下がります。

ここも無人駅。

1線剥がされ、現在は駅舎側のホームしか使用されていません。なので、本来向かいのホームにもあるハズの駅名標まで省かれてしまってるようです。
(かつての構内踏み切りからの撮影)

では、もうひとつの「古沢」駅へ。
(※ 実際の訪問順と異なるので写ってるのは上り列車ですが…)

上古沢(かみこさわ)駅。
この辺り一帯「古沢」という地名らしく、駅はありませんがあと一つ、「中古沢」の3地区で構成されているようです。

下古沢と同じく、1928年(昭和3年)6月18日の開業。

純和風といっていい、峠の茶屋のような可愛らしい駅舎。
前身の会社も違いますが、明らかに高野下駅までの大正時代のものとは建築様式が異なってて面白い。

駅舎側面。白いです。塗り替えた?塗り直した?

駅舎内の天井は、かつて照明が下げられていた部分も含め、意匠が共通。ちなみにここにきてやっと有人(業務委託)駅。

ここも崖の上の駅。駅舎の窓の外がこんなにパノラミック。

ところで、この駅舎ひょっとして。
もしかしてだけど、もしかしてだけど~、レンズの歪みを差し引いたとしても傾いてるんじゃないの~!?

ほら、やっぱり。出入口が歪んでます。

決定的なのは、ホームから見たこの光景。手前の駅付属の建物や左手の架線柱と比べても明らかに…。

ちなみにホームは駅舎から独立した相対式。高野線の山岳区間は単線なので列車の行き違い待ちが生じ、時にはこんな風に特急が普通列車を待ったりすることも。

傾き疑惑も含めて強く印象に残った上古沢駅。僕はすごく好きになっちゃったので、問題なければこのまま残って欲しいなぁ…。
(つづく)
撮影日:2014年5月10日
カメラ:OLYMPUS OM-D E-M1 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6
