2012-11-23 #7 END 仙石線から石巻線、女川へ 〔宮城県〕
12 12, 2012 | デンシャ旅 -東北(JR)
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2012年11月23日、東北被災路線を巡る旅 初日の最終回。
JR仙石線、代行バス終点の矢本駅からデンシャ旅の再開ですが、車両は気動車。
陸前小野~石巻の区間は変電所の被災などもあり、このような運用になっているようです。
「奥の細道」ロゴの陸羽東線/西線専用車両がここにいるのも奇異な感があります。

代行バスから乗り継ぐ方や近隣の利用客で結構賑わっていて、
やはり仙石線が沿線の方々の重要な足になっていると感じます。
僕が代行バスで乗り合わせた方も、石巻へ帰るんだとおっしゃってました。

わずか15分の乗車で15:50、仙石線終点の石巻に到着。
ここからは石巻線に乗り換えて石巻線終点の女川(おながわ)を目指します。

15:55発の列車で石巻を発ち、旧北上川(きゅうきたかみがわ)を渡っているところ。

16:06、わずか10分たらずで現時点での石巻線の終点、渡波(わたのは)駅。

簡易的な車止めが、ここから先、本来の終点・女川まで
不通区間であることを静かに告げています。

暮れなずむ渡波駅舎。晩秋の、東北の日暮れは本当に早い。

渡波駅前からは16:11発の代行バス709便に。
仙石線とは違い、列車から乗り継ぐお客さんはほとんどいない寂しい状況でした。

ところが、バス車内からの光景は対照的に、希望の感じられる明るいものでした。
線路を直している!石巻線の復旧作業が、確かにいまこの目の前で!

新しいバラスト、新しいPC枕木(特製コンクリートの枕木)。
レールこそまだの部分は多かったですが、帰ってから調べてみると
2013年度の運転再開が見込まれているそうで、なおさら頼もしい光景です。

穏やかな万石浦(まんごくうら)。もう二度と牙をむくことがありませんように。

しかし…。
終点の女川は、更地がひろがり津波で横倒しになった建築物がまだそのままの、
駅舎も含め町が丸ごと消えた壊滅的な被害を十分感じさせる状況でした。
先ほどの運転再開計画には、この女川は含まれていないそうです…。

16:37ごろに到着したバスの終点も、高台にある仮設住宅の近傍でした。
女川駅舎があったかつての町の中心部は遠く暗く、また仮設でも営業されている
飲食店でもあれば利用して微力でも役立ちたいと考えていたのですがそれも叶わず、
この日の午前中の東京で過ごした時間など夢のことだったように思い返したりしながら
17:20の折り返しのバスをただ待ち続けたのでした。
(2日目の旅につづく)
撮影日:2012年11月23日
カメラ:Nikon D3s + Nikon AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR

女川からのその後。

女川17:20発の代行バス714便で17:44、渡波へ折り返し。
渡波から17:54発の石巻線・小牛田(こごた)行きの列車へ。

18:05から20分間、石巻駅で停車するというので駅前へ。1年ぶりの石巻駅前。

宮城県出身のマンガ家、故・石ノ森章太郎さん由縁の石巻駅オブジェ。
津波で被災した石巻市内の「石ノ森萬画館」もめでたく11月17日に再開したばかり。
石巻線も今年の秋、開業100周年を迎えたそうで、12月22・23日は記念のSLが走るそう。

石巻から小牛田も未乗の区間ですが、とっぷり日が暮れて車窓が見れなかったのは無念。

19:08、小牛田に到着。ここも陸羽東線に乗りに来た時以来、1年ぶり。

19:28、小牛田からその陸羽東線へ。

宿が石巻や仙台では見つけられず、東北新幹線駅でもある
古川(ふるかわ)の駅前ホテルに。19:40到着。
こうして初日の旅全行程を終えたのでした。