2012-11-25 #5 気仙沼線BRT 志津川を経て柳津へ 〔宮城県〕
01 10, 2013 | デンシャ旅 -東北(JR)
5 Comments
2012年11月25日、東北被災路線を巡る旅最終日。
本吉駅を発ったJR気仙沼線BRT(バス高速輸送システム)はさらに先へ進みます。

陸前小泉(りくぜんこいずみ)駅付近、小泉橋梁。衝撃的な光景でした…。

その陸前小泉駅は、築堤上のホーム跡にその残骸らしきものが並べられていました。
震災直後に比べれば、これでもきっと「片付いた」状態なんでしょうね…。

こちらは歌津(うたつ)駅付近。BRTは基本的に国道45号を走っていたんですが、
入江を横断するその国道が津波で寸断された様子を迂回路から目にしているところ。

ここは被災したクルマの集積場のようです…。

そしてバスはこれまでの入り江の町と規模の違う、ひらけた場所へ。
南三陸町で一番大きな、志津川(しづがわ)地区です。

大きな町だったことは分かるのですが、残っている建物はこのような状態のものだけです…。

かつての南三陸町役場(防災庁舎)。42名もの職員の方々が犠牲となり、その一人、
24歳の女性職員の方が最後まで防災無線で避難を呼びかけ続けた、あの場所です…。
この屋上部分まで津波に呑まれたなんて、自分の目で見てもまだ信じられません。

志津川駅。ホームのあった築堤以外は流され、BRT用の待合室が設置されているばかりです。

志津川駅(BRTバス停)が町の奥にあるため、町の中をぐるりと周る形になるのですが、
その短い間だけでも、こんな光景ばかり目にしていると形容しがたい気持ちになります…。

そして瓦礫の山。

山…。

志津川を離れても、やはり入り江に差し掛かると繰り返すこんな光景。

気仙沼線上り方面・海沿い最後の駅、陸前戸倉(りくぜんとぐら)。
築堤は崩れ、ホーム跡らしきコンクリート塊が横たわっています…。

やがて海は後方へ去り、何もなかったかのように田園風景の中を進むバス。
しかし、続けざまにあのような光景を目の当たりにした僕は、かなり憔悴しきっていました。

気仙沼発の上り便BRT終点・柳津(やないづ)駅に到着。
こうして気仙沼線の不通区間の旅は終わったワケですが、
実際にあれほど壊滅的な現状を目にすると、JRが仮復旧の手段だというBRTにより
気仙沼線を廃線のように受け止める人の気持ちも分かるような気がしてきました。
…ですが、あきらめの悪い僕は信じたいです。復活の日を。
(つづく)
撮影日:2012年11月25日
カメラ:Nikon D3s + Nikon AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR
